ショッピングカート

  • カートに商品がありません

ベッドリネンのスレッドカウントについて - The Definitive Guide to Thread-Count for Bed Linen

Beaumont & Brown | スレッドカウントについて | Photo by 🇸🇮 Janko Ferlič

 

ベッドリネンのスレッドカウント、決定版ガイド

 

「ベッドリネンに最適なスレッドカウントは、何ですか?」

これは、お客様がベッドリネンを選ばれる際に、とてもよく聞かれる質問です。そして、議論が分かれるトピックスでもあります。実際のところ、スレッドカウントの意味についても、おそらく様々な理解があるのではないでしょうか。

 
ここでは、そんな俗説や誤解を払拭すべく、スレッドカウントにまつわる情報を今一度改めて整理していきたいと思います。是非、今後ベッドリネンを購入する際にご参考いただければと思います。

 

スレッドカウントとは? 

スレッドカウントとは、あらゆる布において1インチ(=2.54cm)四方あたりに使われる糸の合計数として表されます。つまり、例えば200スレッドカウントの布であって、1インチx1インチに切り取ったとすれば、その布は計200本のたて糸(上から下)とよこ糸(左から右)でできているということなのです。

ベッドリネンに限って言えば、そのスレッドカウントは大体120から始まり、大きなものでは1,000を超えるまでの幅があります。120スレッドカウントの構造は、縦糸・横糸それぞれ60本ずつの計120本。またスタンダードな200スレッドカウントであれば、118本の縦糸に91本の横糸で織り上げられることが一般的です(この場合、厳密には199スレッドカウントですが、10の位に切り上げて表されるのが通常となっています)。

また、スレッドカウントを正しく評価するためには、紡ぎ糸のサイズ、「デニール」との関係を理解することも重要です。この点は、綿、ウール、ポリエステルや、ナイロンであっても同じことです。

デニールとは、布が紡がれる糸の太さに関連した値のことで、その数値が高ければ高いほど細い糸となります。例えば標準的な120スレッドカウントのコットン製ベッドリネンに使われる綿糸は30デニールのものですが、この同じ綿糸を使って200スレッドの布を織り上げるのであれば綿糸をもっと密に詰めて織り上げなければいけません。それでは、スレッドカウントが増す程、布は硬くなってしまう一方ですし、詰め込める糸の数にも限りがあります。例えば、30デニールの糸を使用するのであれば、生産可能な最大スレッドカウントは約250が限界、というように。つまり、スレッドカウントが大きくなればなるほど、単位面積あたりに詰め込まれて織られる糸の密度は上がっていくのです。

そのような理由で、ベッドリネンを生産する場合には、スレッドカウントを増やそうとすると、使用される紡ぎ糸のサイズは小さくなっていきます(つまり、デニールの値は大きくなります)。

例えば、多くの200スレッドカウントのベッドリネンに使用されるのは40デニール、300スレッドカウントでは60デニール、400スレッドカウントでは80デニールというように。一般的に使用されるもので最も大きなデニールの値は140となりますが、これは最上級のシャツなどの高価な製品に使用されるような、非常に細かい綿や絹の生地を織るために使用されています。

 

スレッドカウントの注意点

ただし、この基本的なルールが当てはまるのは、あくまで良質な紡ぎ糸を使用した場合に限られる、という点に注意が必要です。

残念なことですが、一般的に出回っている中でもかなりの割合のベッドリネンは、低品質な紡ぎ糸を使用して生産されています。 低品質の細い糸は弱いので、製織中に切れてしまう傾向があります。そのため、それを回避するため、低品質の糸は、あらかじめ数本をより合せることによって、太く強い糸にするということがよくなされます。この、より合わされて強度を上げた低品質な糸を使用して、様々なスレッドカウントの布製品へと織り上げられるということが、少なからず行われているのです。

このような2本を撚り合わせた糸(2プライヤーン、あるいは双糸、とも呼ばれます)で布を織り上げた場合の問題は、スレッドカウントが正確に説明されないということです。例えば、このような双糸で200スレッドカウントの布を織り上げた場合、それはそのスレッドカウントはあくまでも200のはずですが、実際にはかなりの製品が400スレッドカウントとして売られているのです。これは、極端に高い数値のスレッドカウントの布を作るためのトリックでもあるのです。

1,000スレッドカウントの場合を例に考えてみましょう。この場合に必要とされるのは極細の100、あるいは120デニールの紡ぎ糸を使用し、560本を縦糸に・438本の横糸で織り上げられることが一般的です。でも、80デニールの紡ぎ糸を撚り合わせた双糸を縦糸233本・横糸264本で織り上げたとして、実際には500スレッドカウントであるにもかかわらず、その低品質であるがゆえに撚り合わせて使われる双糸を2本とカウントすれば、それは1000スレッドカウントとも表されてしまうのです。もちろん、それを定めた法律がある訳でもなく、したがってこれは違法ではないとはいうものの…、誠実とは言えません。

双糸を使用することにはまた別の問題点もあります。それは糸そのものが撚り合わせられて太くなるために、高スレッドカウントの製品に織り上げるには小さな範囲に無理に糸が詰め込まれることによって、密度が上がり過ぎてしまうことです。そのように作られたベッドリネンの肌触りは、カーテン布やキャンバスのような、ごわついた荒いものとなってしまいます。また肌触りだけでなく、布そのものが呼吸できなくなってしまうということもあり、これはベッドリネンの性質上大きな問題です。通気性が悪いというのは、余分な熱がこもるということを意味するためです。

ベッドリネン製造のプロセスとしては、織り上げられた生地にはその後「仕上げ処理」が施され、この処理を適切に施すことによって、「白さ」が決まり、「縮み」を最小限に押さえ、なめらかな「手触り」の布地として完成されていきます。そのどのプロセスも同様に重要です。そのような中で、はじまりに過ぎない機織りのプロセスひとつとっても、それをきちんと見極めることがいかに大切なことか分かります。なぜなら、例えば商品にうたわれている「スレッドカウント」の意味でさえ、想定しているものとは実際は異なるかもしれないというリスクが隠されているためです。

 

スレッドカウントが高いのは、 上質な生地?

ここまでお読みいただいた方は、スレッドカウントが高ければ高いほど上質な生地となると、理解されたかもしれません。一般的にはその理解は正しいのですが、そう単純でもありません。実際のところはどうなのでしょうか?

まずは前提として、高スレッドカウントにするためには、細い糸で織り上げることが必須です。細い糸を用いて機械織をしていく際のリスクは、糸が切れてしまうこと。つまり、細い糸をしようするならば、その細い糸はとても丈夫でなければいけません。そして、丈夫な紡ぎ糸には品質の良い長繊維質の綿が必須です。

つまり、高スレッドカウントの生地の製造を実現するには、何よりも高品質の綿を使用されなければいけないのです。そして、細く、しなやかで丈夫な紡ぎ糸を使用して、きめ細かく織り上げられた生地はなめらかでやわらかな肌触りに仕上がります。もちろん、その理由で生地の価格自体も高価になります。

ただし、生地の品質を決めるのはスレッドカウントだけではありません。生地の仕上げ処理も重要ですし、日々の使用環境にもその品質は大きくされます。例えば弊社が納品させていただいている多くの5つ星ホテルでは、300スレッドカウントをご愛用いただいています。数値だけ見ればそれ程高いグレードではないように思われるかもしれませんが、高品質な300スレッドカウントのベッドリネンは、適切にクリーニングされた上でアイロンが掛かると、本当にラグジュアリーな仕上がりになるのです。

また、スレッドカウントが高いものは、使用される紡ぎ糸が細いために、その分生地が薄くなります。そうすると、耐久性は少し劣るかもしれません。例えばホテルでの使用においては、上質であることの条件は肌触りだけではなく耐久性も考慮されています。その意味では、「スレッドカウントが高ければ高いほど高品質である」とは言えないようです。

そして、何より注意が必要なのが、一部の高スレッドカウント生地に見られるからくりです。この場合、上記でこれまでに説明してきた前提が当てはまりません。紡ぎ糸が低品質であるがために、数本を撚り合わせた「双糸」などを使用して織られた生地は、例えスレッドカウント数が高いとしても、高品質とは言えないのは明らかです。

 

ベッドリネンに最適なスレッドカウントとは? 

Beaumont & Brown でオンラインストア向けに揃えているコットンのベッドリネンは全て400スレッドカウント。正真正銘、上質な綿糸が1インチ四方に400本織り込まれている400TCです。

ところで、私たちが400TCを採用している理由は以下のとおり;

  • 多くのラグジュアリーホテルで実際に採用されている仕様が300~400TC
  • 特に寝具にこだわるハイエンドホテルが採用する最上質な仕様は400TC
  • 400以上のスレッドカウントとなると、生地が薄くなり、きめ細かく目が詰まるため、耐久性が下がってしまう
  • 適度な柔らかさ、しなやかさがあるため、アイロンがなくてもシワがそれ程気にならず、家庭でも扱いやすい
  • 肌に触れた時、明確に違いを感じられる上質な仕様であること
  • 肌ざわりの滑らかさ、耐久性、生産のコスト、全てバランスが最適

ベストなスレッドカウントは、状況によって変わるので一概には答えるのが難しいものの、私たちがあえて400TCを採用していることはこのような理由からです。

つまり、世界中のラグジュアリーホテルにもご愛用いただいている Beaumont & Brown が、上質なベッドリネンを扱うブランドとして、お客様のご自宅へお届けするべきベッドリネンは、400TCがベストだと考えているからです。

あとは、実際に気になるものを試してみて、ご自身の肌で感じて、判断してみてください。いくつか試すことで、きっと好みのスレッドカウントが分かってくると思います。とは言え、本当に上質なものは、使った瞬間に良さを感じていただけるはず。

私たちが自信を持って言えることは、一度で最高のベッドリネンに慣れてしまったら、その肌ざわりはもう忘れられないということ。とにかく高級ホテルのようなシーツに包まれて眠りたい…、そんな方には、是非 Beaumont & Brown の400TCを試していただきたいと思っています!

Beaumont & Brown | Classic White 400TC

 

素材:コットン100%、スレッドカウント400
サイズ:シングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キングから特注サイズまで

 

※ このブログ記事は、以下のUK版のブログ記事の翻訳をもとに、編集しています。

 

The Definitive Guide to Thread-Count for Bed Linen

 

Everyone has an opinion on what is the best thread-count and perhaps everyone has their own idea in their heads of what is meant by thread-count. Hopefully this definitive guide will dispel some myths and give you a better insight when purchasing bed linen. 

The thread-count of any fabric is simply defined by the number of threads there are in a square inch of that particular cloth. So for example if you have a 200 Thread-count piece of cloth you should be able to cut a square out 1”x 1” and count 200 Threads running both Top to Bottom (Warp) and Left to Right (Weft).

When talking about bed linen, thread-counts start at around 120 per sq inch and go up over 1,000 per sq inch. The construction of a 120 Thread-count piece of cloth would be 60 threads running in the warp and 60 threads running in the weft. 60+60=120. A standard 200 Thread-count is usually constructed using 118 Threads running in the warp and 91 in the weft. (Actually a 199 Thread-count but they are always rounded up to the nearest 10).

The second important factor when considering thread-counts is the size (denier) of the yarns used to weave the cloth. This is the case whether the cloth is made of Cotton, Wool, Polyester, Nylon etc.

Denier is a measure of the thickness of the yarn/thread. The higher the number, the thinner the yarn is. For example standard 120 Thread-count cotton bed linen would use 30 denier cotton yarn/thread. If you then use the same 30 denier cotton yarn/thread to produce a 200 Thread-count you need to put more threads into a square inch to achieve the thread-count.

Obviously this gets harder and harder as you increase the thread-count, if you keep using the same thickness of cotton yarn. Eventually it actually becomes impossible. The maximum thread-count that can be produced using 30 denier yarn is around 250 threads per sq inch. Obviously as the thread-count is increased the fabric becomes denser and denser as more threads are squeezed into the same area.

When producing bed linen, as you increase the thread-count the size/denier of the yarn used decreases at the same time. For example most 200 Thread-count bed linen will use a 40 Denier Yarn. (Remember the higher the number the thinner the yarn). 300 Thread-count is often made using 60 Denier yarn, 400 Thread-count uses 80 Denier Yarn and so on. The highest denier in general use is around 140 and this would be used in very fine cotton or silk fabric used to make expensive shirts.

The above rules apply when good quality cotton yarn is used. Unfortunately quite a large amount of bed linen is produced using lower quality yarn. Lower quality thin yarn has the tendency to break during weaving and so to avoid this happening it is possible to spin to yarns together (a bit like plaiting), this then produces a thicker stronger yarn. This is the woven into various thread-counts.

The trouble with using 2-ply yarns as they are called is sometimes the thread-count is misrepresented. For example if you have a 200 Thread-count which uses 2-ply yarns (2 low quality yarns spun together), this is still a 200 Thread-count not a 400 Thread-count which it is quite often sold as.  This is how super-high thread-counts are often achieved. Let’s take 1,000 Thread-count for example. This should use very fine 100 or 120 Denier yarn and be woven 560 threads on the warp and 438 on the weft but what can be done and often is, is an 80 denier 2-ply yarn is used and woven 233 on the warp and 264 on the weft. This is actually a 500 thread-count  but because it uses low quality 2-ply yarns it is often sold as 1,000 thread-count counting each 2-ply yarn as 2 separate yarns. Not illegal, but immoral.

The other problem with using 2-ply yarns is because they are thicker when they are used to produce high thread-counts they are crammed into the square inch area and this just makes the fabric too dense. Bed Linen can end up feeling like curtain material or canvas. Cramming yarns in also affects how breathable the fabric is and this is important with bed linen. Not breathable means too hot.

The weaving process is just the first part of producing bed linen and already there are potential minefields. The next step is finishing the cloth. The finishing process is as important because this is where the whiteness is achieved, shrinkage is reduced and the overall “hand-feel” of the fabric is produced.

Related Articles